モルタルに防凍剤を入れた場合と入れなかった場合はどうなるか比較してみた

冬場のコンクリート等の凍結防止のために入れる防凍剤ですが、
この防凍剤を入れた場合と入れなかった場合で、どう違うのかを試してみました。

モルタルやコンクリートは‐0.5~‐2℃で凍結すると言われています。
凍ってしまうとどうなるかというと、コンクリートが水分の凍結により膨らんでしまったり、
表面がパリパリに剥がれてしまったりします。

こうなってしまうと、強度が低下してしまう原因になるので冬場は凍結防止のための養生などが重要となります。

今回はモルタルにマノール防凍剤(無塩)を入れた場合と入れなかった場合で比較しました。

スポンサーリンク

型枠の準備とマノール防凍剤

まずはこちら、型枠を2つ準備しました。
型枠を2つ準備

そして、こちらがマノール防凍剤SS(無塩)
この防凍材はアルミ製品にも使える防凍剤です。
無塩タイプじゃないとアルミ製品を腐食させる原因になるため、アルミ製品に使う場合は必ず無塩タイプを使用しましょう。
マノール防凍剤(無塩)

裏面に書いてある使用方法
マノール防凍剤使用方法

これを使った場合と、使わなかった場合はモルタルはどうなるのか?
っていうのを調べてみようと思います。

モルタルを作る

それでは、まずは防凍剤を入れずにモルタルを作り、左側の型枠に流し込みました。
マノールを入れずにモルタルを作る

もう片方には防凍剤を加えてモルタルを作ります。
予想気温は‐5℃とかなり寒くなりそうだったので、多めに防凍剤を入れます。
防凍剤を加える

防凍剤を加えて作ったモルタルを右側の型枠に入れます。
防凍剤入りのモルタルを右側の型枠に流す

左側が防凍剤無し、右側が防凍剤有りです。
仕上げコテを使って表面もキレイに仕上げました。
左、防凍剤無し 右、防凍剤有り

このモルタルは午後3時に作りました。
これから数日間、どうなるのかを見てみたいと思います。

ちなみに養生などは一切なにもしません。
防凍剤のみを入れるとどうなるかを見ます。

一晩経過(17時間経過)

モルタルを作って一晩が経過。
朝8時ころの様子です。
前日の夜から朝にかけての気温は‐4.8℃でした。寒い。

左が防凍剤無し、右が防凍剤あり。
一晩経過した様子

意外にも左の防凍剤無しの方が白くなっていて、
固まっているんでないの?っていう見た目です。

近くで見てみると、こんな感じでした。
防凍剤なしの方。
防凍剤無し、拡大。

近くで見てみると、完全に凍ってしまっているのが分かりました。
表面がパリパリになってしまったようです。
パリパリになってしまった表面

表面を手で撫でてみると、表面がボロボロと剥がれます。
表面がポロポロとなる

表面がポロポロと剥がれる

横から見てみると、凍ってしまったせいか少し膨らんでしまっています。
横から見てみると少し膨らんでいる

一方、防凍材を入れた方。
防凍剤ありの方

横から見てみると、膨らんでいません。
凍っていなかったのが分かります。
防凍剤を入れた方 凍っていない

手で撫でてみると、
全く固まっていませんでした。
手で撫でてみる

全く固まっていなかった。

17時間経過の時点
防凍剤無し:表面はやや硬かった。しかし表面はパリパリになって凍ってしまっていた。

防凍剤有り:凍ってなかった。しかしまだ全然固まっていなかった。

その日のお昼ごろ(21時間経過)

お昼ごろ見てみると、朝は白っぽかった防凍剤無しのモルタルが茶色っぽい色に、固まっていなかった防凍剤を入れたモルタルは白っぽくなっていました。
21時間が経過した辺り

防凍剤無し
表面はかなりボロボロになってしまった。
キレイに仕上げたはずがボロボロに・・・
防凍剤なしのモルタル

防凍剤有り
防凍剤無しと比べると表面はいくらかマシ。(右下は朝方手で撫でた部分ですので気にしないように)
とはいえ、こっちもキレイに仕上げたはずがいくらかデコボコになってしまいました。
防凍剤有りのモルタル

ちなみにこの日の最高気温は3.2℃、最低気温は‐5.6℃

スポンサーリンク

2日経過(41時間経過)

2日目の朝8時ころの様子です。
ちょっとばかり雪が降りました。

左の防凍剤無しの方は雪が残っていますが、右の防凍剤を入れた方は雪が解けています。
防凍剤を入れるとこういう効果もあったのか。
2日目の朝(41時間経過)

2日目のお昼ころ(45時間経過)

雪も完全に解けたので、どんな感じか見てみることに。
見た目は完全に防凍剤を入れた方がキレイになっています。
2日目のお昼、モルタルの様子

防凍剤無し
防凍剤無しのモルタルの様子

防凍剤有り
防凍材有りのモルタルの様子

釘で引っ掻いてみる

釘でモルタルの表面を引っ掻いてみました。
釘を使ってモルタルの表面を引っ掻いてみる

まずは防凍剤無しのモルタルから引っ掻いてみます。
防凍剤無しのモルタルから引っ掻いてみます。

表面はまだ脆く、ぼろぼろとなっていました。
(まだ2日目だから当然かもしれません)
ボロボロとなってしまった

次は防凍剤有りのモルタルです。
表面を釘で引っ掻いてみました。
防凍剤有りのモルタルの表面を釘で引っ掻く

防凍剤有りの方が表面は固く、傷は浅い。という結果でした。

型枠を外し、タガネで叩く

とりあえず、型枠を外してみます。
型枠を外す

防凍剤無しのモルタル
防凍剤無しのモルタル

防凍剤有りのモルタル
防凍剤有りのモルタル

タガネとハンマーを用意し、端っこを叩いてみることに。
どっちが硬いか比べてみます。
タガネとハンマーを用意

防凍剤無し
叩いてみた感じは思ったより硬い。
表面はボロボロですが、内部は硬化していたようです。
防凍剤無しのほうを叩いてみた

防凍剤有り
こちらの硬さも叩いてみた感じは防凍剤無しと同程度でした。
もっと硬いかなーと思っていただけに拍子抜けな感じでした。
防凍剤有りの方を叩いてみた

2日目経過時点(45時間経過)
防凍剤無し:表面はボロボロ。だけれども内部は思っていたより固かった。

防凍剤有り:表面はまずまず綺麗だった。内部は防凍剤無しと同程度の固さだった。

2日目の気温は、最高気温4.9℃、最低気温1.9℃でした。

4日経過(89時間経過)

4日目の朝8時の様子です。
両方とも白くなり、硬化が進んでいるように思えます。

4日経過後のモルタル

左、防凍剤無し
表面は凍結してしまったせいか、ボロボロになっていてかなり荒くなっています。
防凍剤無しのモルタル4日目

右、防凍剤有り
表面は凍結を免れたおかげで防凍材無しよりもキレイです。
4日目防凍剤有りモルタル

再度、釘を使って引っ掻いてみる

もう一度、釘で引っ掻いてみて、どの程度傷が付くか見てみることに。

最初は防凍剤無しの方から引っ掻いてみました。
4日目、防凍剤無しのモルタルを釘で引っ掻く

2日目よりもだいぶ固いです。
それでも、写真では分かりづらいですが、表面はやや脆い感じでした。
防凍剤無しのモルタル引っ掻いた跡拡大

次は防凍剤有りのモルタルを引っ掻いてみます。
防凍剤有りのモルタルを引っ掻く

防凍剤有りのモルタルの表面は脆いという感じはしませんでした。
引っ掻いた部分は白い跡になりましたが、まあこれが普通でしょう。
防凍剤有りのモルタル引っ掻いた跡

タガネとハンマーで叩いてみる

2日目と同じく、タガネとハンマーで叩いて硬さをみてみました。

防凍剤無しのモルタル
防凍剤無しのモルタルを叩く

3回程度叩いたら割れました。
思った以上に硬く、硬化は普通に進んでいるように思えました。
防凍剤無しのモルタル、叩いた後

防凍剤有りのモルタルも同じように、タガネとハンマーを使って叩いてみました。
こちらも3回程度叩いたら割れました。
防凍剤無しと同じくらいの硬さのように思えます。
防凍剤有りのモルタルを叩く

まとめ

今回のモルタルに防凍剤を入れた場合と入れなかった場合は、表面がボロボロになるかならないかというところでかなり違いがありました。

防凍剤有り:表面はあまりボロボロにならず、どちらかと言えばキレイな仕上がりになった。

防凍剤無し:表面は膨らんでしまい、かなりボロボロになってしまった。4日経っても表面は脆い感じだった。モルタル仕上げの場合はやり直し必至である。

叩いてみた感じは硬さに差は感じられませんでしたが、凍結すると脆くなってしまうということなので、もっと時間が経過すると差がでてくるのかもしれません。

あと防凍剤を入れると硬化までやや時間がかかるのか、防凍剤無しの場合と比べると硬くなるまで遅かったです。

以上、防凍剤を入れた場合と入れなかった場合の比較でした。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする